これって愛国心?

トヨタびいきの米国市民??
 
 記者はとうとう、用意していた質問をあきらめた。多くの人々に同じ質問をしてみたが、予想していたような「韓国式」の回答が返ってくることはなかった。結局はそれが愚問だったからだ。

 先週、トヨタの自動車工場がある米国ケンタッキー州ジョージタウンで記者は現地の住民を対象に取材した。先の質問とは、「日本車のトヨタが米国車のゼネラル・モーターズ(GM)・フォード・クライスラーを抜いて今年世界第1位になると予想されているが、そのことについてどう思うか」というものだった。もしこれが韓国だったら「有り得ない」、「韓国車を一台でも多く購入すべき」という愛国心に満ちた返事が返ってきたはずだ。

 しかし米国人は違った。ホテル職員のマイク・エッカートさんは「今日、わたしたちがこうして豊かに暮らすことができるのも、みなトヨタのおかげだ。GMが首位の座を奪われても、わたしたちは全く意に介さない」と答えた。また公立体育館で働く40代の女子職員は「トヨタのおかげで税収が増え、近く新しいスケートボード場もできることになった」とし、「わたしたちは本当にトヨタが好き」と語った。

 
  これは何もジョージタウンだけに限った話ではない。GM・フォード・クライスラーのいわゆる「ビッグ3」のおひざ元であるデトロイトの住民ですら、米国車を無視し、日本車に軍配を上げている。小売業に従事するジェイソン・パークスさんは「日本車のほうが品質やデザイン、アフターサービスの点ではるかに優れている」とし、「自分の婚約者の一家は代々フォードで働いてきたが、婚約者もわたしのホンダ車を気に入っている」と答えた。

 なぜこうした現象が生じるのだろうか。1960年代に最盛期を迎えた米国の自動車会社は、労働組合のストライキを恐れ、多額の年金と医療費を支給する労使合意に応じた。会社がうまくいっているうちは、問題にならなかった。だがトヨタ・ホンダ・日産といった日本企業が躍進したことで、状況は一変した。GMやフォードが、医療費や年金の負担が原因で不十分な投資しか行えなくなったことに対し、米国の消費者は冷ややかな目で見ている。

 今やトヨタ賛歌一色となったジョージタウンの例を見てみよう。1980年代中盤、米国企業の投資が低迷していた際、トヨタは人口1万人のこの田舎町にやって来た。トヨタは大規模なインセンティブ契約に応じ、50億ドル(約6025億円)を投資、工場や学校を建設し、住民たちの生活を一変させた。こうして町の人々は熱烈なトヨタ支持者となった。

 今アラバマ州ではジョージタウンがトヨタに提供した額の2倍に達するインセンティブを提示し、ベンツの工場を誘致しようとしている。誘致に成功すれば、ここの住民もまたGMの代わりにベンツを支持するようになるだろう。

 ケンタッキーやアラバマだけではない。米国全土でトヨタを支持する声はどんどん高まってきている。「消費者リポート」によると、米国市民の4分の1が新車購入時にはトヨタを買うと回答しており、現在トヨタに乗っている人が再度トヨタを選択する割合も78%に達している。一方GMやフォードを購入するという回答は、それぞれ15%、13%にとどまっている。ここまでくれば、米国の自動車産業は敗北を認めて白旗を上げなければならないと言えるだろう。

 かつて米国でも消費者の愛国心に訴え、経営が傾いていた自動車会社を支えたこともあった。だが今や、そんな風潮は過去のものとなった。消費者の品質に関する要求が高まるにつれ、製品の「国籍」など意味を持たなくなってきている。

 閉鎖性や愛国心の効能を最大限利用してきた韓国自動車業界の労組が、最近ストライキを開始した。

 今から10年後、韓国の自動車産業が、かつての米国のように頻繁なストライキや労使対立、市場開放によって経営危機に陥ったと仮定しよう。日本車や米国車の実績と、中国車・インド車の躍進を前に、それでもまだ今のように閉鎖性と愛国心に訴えることで、生き残ることは可能だろうか。

 米国の例は、それが不可能であることをはっきりと示している。

 
朝鮮日報-コラムより

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