日中文化の相違

   密封する文化と開封する文化
 
 この間、日本人の女性と中国人の女性から、同じような苦情を言われた。
「日本の男性は女性の荷物を持ってくれようとしない」
こんなことを言う日本人女性とは実は中国に留学していて、日本に短期帰国した人だった。つまり、中国の男性は、女性に対して我々が想像する以上に親切というか、気を遣っているようなのだ。
 
 確かにわれわれは普通のバックとかカバンぐらいなら、特に持ってやろうとはしない。それは、すごく重そうだったり、荷物が三つも四つもあれば手を貸すけど、そうでなければあまり気にもしない。第一、淑女が手ぶらというのも変だし、カバンだってファッションの一部だ。それを取り上げたらバランスが崩れる。余計なお世話と言われる気がする。
 ところが彼の地では、ともかく女性にモノなど持たせないという風潮はあるそうだ。
 
 ある中国人留学生(女性)は、日本で男性が荷物を持ってくれないことに驚いたという。これは「自分があまり美しくないからだろう」と考えていた。そうしたら、目の覚めるような美人がゼミに入ってきた。ところがやはり誰もその人の荷物を持とうとしない。ほっと安心もし、日本の男性はこういうことに極めて鈍いということがわかった、と話してくれた。
 
 短期帰国の日本人女性曰く:「なにしろ、中国の男性は、女性が水を飲もうとすると、さっとミネラルウオーターの蓋を開けてくれるのよ」。わざわざこんなことを言うのだから嬉しいに違いない。
 しかし、私は反論する。それは中国のああいうものが一様に開けにくいからだ。経験のある人は分かるが、ともかく開かない。下手をすると指を捻挫しそうだ。
 
 プルトップの缶など、もっと危険だ。淑女の手を傷つけてはならじと、見るに見かねて男性が手を貸してやるだろう。中国語では“易拉罐”というが、名前が泣いている。
 
 私は中国のカセットテープを開けるとき、VCDやDVDを開けるとき、ひどく難儀する。プラスチックのケースが壊れてしまうこともたびたびだ。女の子なら傍らに男性がいたら、いらいらして「はやく開けて」と当然のことのように放り出すと思う。

 総じて、中国はものを密閉する技術はあるが、それを開封する消費者への気配りが足りない。いつもいらいらさせられる。包装し、密封するのはメーカーの責任、それを開けるのは消費者の努力とでも思っているかのようだ。カセットテープを開けるのに、中国人は机の角を利用して、そこにテープをシュッとこすりつけてセロファンを摩擦ですり切って開けていた。その仕草が堂に入っているというか、いかにも手慣れたもので、なるほど、中国のこういうものは開けにくく、いつもこうして開けているのかと、その生活の知恵に感服したことだった。

 日本では例えば甘栗にだって「甘栗オープンナー」が入っている。金属のかんたんなものだが、これがあると栗のカラがウソのように割れる。あれには中国人はえらく感心していた。オマケのようなものだが、是非これを帰国土産にしたいと目を輝かせていた。
 中国は、密封する文化は合格だ。開ける文化が先進国並みになってこそ一人前だ。なぜならそれは消費者のことを考えているということだから。ペットボトルだって、いまや再利用のために、ラベルのところに縦に点線を入れて破りやすくしてある。ラベルがはがしやすいボトルを作っているメーカーに好感を持つ。環境のためや、消費者のための心配りを評価するようになっている。
 
(執筆者:相原茂)

日中文化の相違」への1件のフィードバック

  1. とっても突然だと分かっていますが、ある友人のスペースを通してあなたのスペースを知りました。
    すごいですね!中国と日本の違いについてそんなに研究してるなんて。
    您是中国人吗?您写的东西很棒啊。
    出来れば友達になって色々と教えていただきたいです。私も国々、特に中日韓の文化のの違いがとて興味深いです
    如果可以的话在我的space里写一句ok可以吗?
    我以后会经常来的!

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