核実験実施-韓国の迷走

 北朝鮮が核実験を強行した。北朝鮮はとうとう、「核実験を実行すれば、世界の情勢は一変する」という国際社会の警告を無視してしまった。核実験による人工地震が観測された2006年10月9日午前10時35分をもって、北朝鮮と世界をつないでいた橋は落ちてしまった。

 北朝鮮が執念を燃やしてきた米国との直接交渉の可能性もこれで完全に消滅した。国際社会が北朝鮮の体制を認め、経済支援を行い、北朝鮮が正常な国として歩んでいく可能性ももうなくなってしまった。そして北朝鮮の2300万人の住民は飢えを耐え忍び、あてのない「苦難の行軍」を続けなければならなくなった。北朝鮮の核カードによる賭けは、北朝鮮の崩壊への序章となるだろう。

 大韓民国も「情勢の一変」に直面することになった。大韓民国は今日この日から、これまでの旧式の軍事力しかなかった軍隊ではなく、核で武装した北朝鮮と対峙することになったのだ。大韓民国は北朝鮮の核の脅威を前に、なすすべもない状況だ。北朝鮮の核の脅威から大韓民国を守ってくれるのは、同盟国である米国の核の傘しかない。

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が過去3年半の間、執ように煽り、叫んできた「自主」のかけ声と「わが民族同士」のスローガンが、こんなあ然とさせられる結果をもたらした。しかも韓国の唯一の同盟国である米国との関係は、以前とは様変わりしてしまった。現政権下で同盟の絆は完全にさび付き、一枚岩にもひびが入ってしまった。

 現政権はこうした状況にあっても「戦時作戦統制権の韓国軍による単独行使への移管と北朝鮮の核実験は別問題」という大統領の発言通り、戦時作戦統制権の単独行使の実現を押し通すつもりなのだろうか。そして大韓民国と大韓民国の国民に素手で北朝鮮の核に対抗させようとでも言うのだろうか。現政権はまずこの問題に対し結論を下すべきだ。

 また北東アジア地域は予想通り「情勢の一変」に直面することになった。北朝鮮による核の保有は、日本の本格的な再武装をもたらす。そして日本の再武装は、中国の軍備強化という連鎖反応を引き起こす。国際社会は北東アジア全体を火薬庫にしないためにも、北朝鮮の核という雷管を取り除かなければならない。米国が北朝鮮が核を持つことを到底容認できないとしているのもそのためだ。

 国連安全保障理事会は北朝鮮に対し、武力制裁の可能性を開く国連憲章第7章に基づく制裁に着手すると考えられる。北朝鮮への圧迫は北朝鮮が核を完全に放棄するか、核を握った北朝鮮政権が崩壊する時まで続くことだろう。

 核カードに賭けた北朝鮮の生存戦略は、事実上の自殺行為だ。問題は北朝鮮政権が大韓民国を無理心中の道連れにしようとしていることだ。

 現政権が発足してから3年半、金大中(キム・デジュン)政権の発足までさかのぼれば8年もの間、大韓民国は「北の核のコートを脱がすには太陽政策しかない」とし、これに執着してきた。盧武鉉大統領は2004年11月に「北朝鮮が経済発展するためには全世界からの支援が必要なだけに、核兵器は放棄するだろう。北朝鮮の核(を利用して、国際社会の支援を引き出そうとする戦略)は一理ある」と発言した。

 もっとも、北朝鮮のミサイルを「ミサイルではなく人工衛星」とした盧大統領のことだ。大統領と大統領の側近たちは北朝鮮政権の本質を全く知らなかったか、あるいは「自主という名のイデオロギー」にとらわれるあまり、現実が見えなかったのだろう。その結果、民族7000万人の運命が核の谷底をさまようことになってしまった。

 盧武鉉政権は最後の瞬間まで北朝鮮問題に対する国際社会の協調体制から外れ、韓国主導の「包括的アプローチ」によって北朝鮮の核問題を解決すると主張した。しかし北朝鮮にとっては韓国など眼中にもなかった。

 こうして韓国政府が実現する可能性もない目標を追ってただ一人迷走する間に、北朝鮮は着々と核実験を準備してきた。韓国が国際社会と声を合わせ北朝鮮に「核の保有は自殺行為」というはっきりとしたメッセージを一度でもまともに送っていたなら、少なくともこれほどの空しさを感じずにすんだことだろう。

 どれほど状況が悪化しようと、大韓民国は必ず生き残らなければならない。やっとの思いで取り戻し、血と涙と汗を流しながら、なんとかここまで来たこの国をここであきらめるわけにはいかない。

 今こそ大韓民国の生き残りをかけ、一致団結する時だ。まず同盟と自主のどちらを選ぶのか、決断を下す必要がある。それは盧武鉉大統領や盧武鉉政権の決断ではなく、大韓民国の決断でなければならない。大韓民国の全ての国民は、死即生(死ぬ覚悟で当たれば生きる道が開ける)の覚悟でこの決断の瞬間に臨むべきだ。

 朝鮮日報「社説」より


 


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