中国の面白い話Ⅱ

好評にお答えして、第2弾を書いてみます。
 
「目指せ一流国家!」と いろんなシーンで躍進をはかる中国社会で、いわゆる「星級」表示が整備されていないのは次のうちどれ?
①食堂、②長距離バスの車両、③公衆トイレ、④運転手、⑤家庭
 
日本語に訳されにくい中国語のひとつに「文明(ウェンミン)」という言葉がある。
もちろん日本語の文明と同じ意味で使われることまあるが、例えば中国語の「文明用語」は”文化的な人々が使う言葉”となり、理想的あるいは模範的な、という意味合いをもつ。
さて、中国でこの文明の等級を目で確かめられるようにしたのが、星級である。中国ではホテル以外に見る星級が、いかにも中国らしくて面白い。
延安大学の正門近くに、四星級を掲げる食堂があった。初めて行ったとき、ちらっと隣のテーブルに目をやると、一皿がけっこうでかかった。そこで、残すのがイヤだったので半量で作ってもらえないかと質問したら、ただの貧乏人と思われたらしく、店のおばちゃんは割烹着代わりの汚れた白衣で手を拭きながら「もやし炒めは安いからそれにしたら?」と親切に勧めてくれた。開け放たれた門には、子供の古着をはぎ合わせて作ったような綿入れの保温カーテン、その外を見ると店先でオヤジがたらいで野菜を洗っており・・・・・・アレ、アレ?全然庶民的じゃん。これのどこが四つ星なの??
 中国の星級は、食堂であろうとグルメ的見地に立つ評価などではなく、行政が指導する条件をどれだけ満たしているかということが基準とされる。衛生面や商売の公正さ、納税実績、服務態度などの条件を満たすとお役所から表彰され、星が赤く塗られたアルミ製の「星級プレート」を店に掲げることができるのだ。
 
 民家でも、似たような星級を見かけたことがある。
郊外のロバと山羊のお散歩コースを歩いていると、沿道沿いの民家の門の上に星級プレートが掲げられているのを目撃。聞くところによると、これは特に辺鄙な地方の農民や鉱工(鉱山労働者)家庭などの、生活環境&文化レベル向上キャンペーンの一環として行われている「星級文明戸創建活動」という政策だという。自薦他薦により役所に申請し、年度ごとにそれを審議委員会が審査、認定するらしい。
 
 ここまでだったら、まだ驚かない。01年上海で発見した星級は何やらニュアンスが違っていた。
バスに乗ると運転手がタバコも吸わず、おしゃべりもせず、何かプロっぽい。見るとフロントガラスに外からも中からも見えるようにニ級星表示。タクシーに乗ると、写真付き運転手名カードのところに誇らしげに三星級。
 とどめは公共厠所。トイレの壁にピカピカの二星級が光っているのを目撃してしまったのである。
 
 降ってわいたような上海流星群!
星級はダンアン(官庁管轄の個人履歴書)にも書き込まれ、次なるステップにも活かせる一種の栄誉となる。これからも中国のあちこちの町で、きっと思わぬ星級が登場するのではないかと密かに期待するものである。

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